果糖の摂りすぎに注意! 〜肥満・糖尿病の人はなぜ新型コロナに弱いのか

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肥満・糖尿病の人はなぜ新型コロナに弱いのか

「糖質過剰」症候群Ⅱ

清水泰行

 

本のタイトルは新型コロナが中心のようだが、内容は糖質過剰摂取の害を広く深く(かなり深め)取り上げている。

 

今回はその中で最も印象深かった「果糖」について。

 

果糖はいわばサバイバル糖質で、生存に有利であった。

 

まず第一に、果糖はブドウ糖単独よりもはるかに多くの脂肪とグリコーゲンの貯蔵を刺激する。冬眠する動物や渡り鳥なども、果糖によって脂肪を蓄積する。

 

果糖を摂取してもインスリンやレプチンを直接刺激しないため、満腹感が低下するだけでなく、脳のレプチン耐性の発生を促進するために持続的な空腹感をもたらし、食事の摂取量を増加させることができる。

 

また、果糖はパゾプレッシンという抗利尿ホルモンの産生を刺激する。

水不足の状況では排尿を抑制し、脱水を防ぐことができる。

 

パゾプレッシンには、生存に関わる様々な機能がある。

ストレス反応(攻撃性、不安、衝動性など)の生成、血圧の上昇、ナトリウムの再吸収増加、タンパク質合成の刺激、脂肪蓄積の刺激、脳にエネルギーを供給するためにグルカゴン分泌を刺激して血糖値を上昇させる、などの作用がある。

 

狩猟採取の時代では、適度な果糖の摂取により、飢餓を回避し、生存するために、食糧を求めてあちこち動き回ったり、リスクを冒したり、衝動的な行動をしたり、ときには奪い合いなどの攻撃性を持つことが非常に重要であった。

 

現代ではどうかというと、まず果物が狩猟採取時代のものとは別物である。品種改良により、果糖の含有量が大幅に上がっている。

また、異性化糖(高果糖コーンシロップ、果糖ブドウ糖液糖など)はあらゆる食品に添加されている。

 

多すぎる果糖の代謝は、生存回路を過剰に活性化し、それが渇望、衝動性、リスクテイク、攻撃性を引き起こし、ADHD双極性障害などを引き起こす。

さらに、脂肪蓄積の刺激は肥満へ、血圧の上昇やナトリウム再吸収は高血圧や心不全をもたらす。

 

他にも、うつ病、がん細胞の増殖、2型糖尿病、アルツハイマー、免疫の働きすぎによる炎症など、様々な疾患へと繋がっていく。

 

コーラやジュース、お菓子は控えめにしても、果物はビタミンが豊富で身体にいいと思ってたくさん食べている方もいると思うが、控えめにしたほうがいい。

 

ちなみに、新型コロナに弱くなるのは、糖質過剰摂取により免疫が過剰に働いている状態がかなり影響している模様(サイトカインストームや血栓など)

 

著者ブログ(何らかの疾患に悩んでいる方や糖質制限に興味ある方にお勧めです)

ドクターシミズのひとりごと