読書-小説

死を通じて見つめる人生の意味 ~イワンイリッチの死

イワン・イリッチの死 トルストイ 生まれたら、必ず死ぬ。自分自身もこの世に生を受けた以上、必ず死を迎える。頭ではわかっているが、実際に自分のことと受け止めることは難しい。 イワン・イリッチは帝政ロシアの官吏。 若いうちは、ある地方の県知事の秘…

復帰前の沖縄を感じることによって見えてくるもの ~宝島

541ページもあるが、一気に読み終えた。 舞台は1952年から1972年、米軍占領下の沖縄。 戦後の混乱のなか、食料も生活必需品も不足しているなかで、米軍基地に侵入し、その豊富な物資を奪って生活の糧にしていたのが戦果アギヤー。 1952年、おんちゃんと呼ば…

【小説】蜜蜂と遠雷 世界は音楽であふれている

蜜蜂と遠雷 恩田陸 小説に夢中になり、その世界に引き込まれているとき、文字を読んでいる感覚がなくなっていき、 人物や景色を眺めているような感覚になることがある。 この小説は、それに加えて、「音楽」が流れてきた。 物語の舞台は、3年ごとに開催され…