スタンフォード式 最高の睡眠 ~睡眠の質は眠りはじめの90分で決まる
「スタンフォード式 最高の睡眠」 西野精治
最強の~、最高の~とかいろいろでてるけど、こちらは睡眠の科学。
現在わかっている睡眠のメカニズムをあまり理屈っぽくなり過ぎず、わかりやすく書かれている。
短時間睡眠でもすっきり目覚ることもあれば、長時間眠ってもだるい朝があることは、誰でも経験があると思う。その理由は入眠直後の90分間にあり、著者によれば、最初の90分をしっかり深く眠ることができれば、最高の睡眠がとれるという。
(但し、ショートスリーパーでない限り、6時間は睡眠時間が必要とのこと。)
では、最初の90分の質を高めるにはどうすればいいか。
子どものようにすぐ眠れる2つのスイッチは「体温」と「脳」であるとのこと。
個人的に参考になったのは、「体温」。
スムーズな入眠には深部体温が下がり、皮膚温度との差が縮まっていることが鍵になる(日中は深部体温が皮膚体温より2℃ほど高い)。
深部体温が下がるためには、毛細血管の発達した手足から熱放散が起こることが必要。
気持ちよく入眠する直前、手足がじわっと温かくなっていく感覚を感じている方も多いと思う。逆に、手足が冷えていると、寝付くのに時間がかかるのではないだろうか。
著者が体温をコントロールするためにおススメしている方法の一つは寝る90分前の入浴。入浴によって、深部体温を上げれば、その後、自然と下がっていくのでそのタイミングで寝るというもの。
しかし、忙しい現代人にとって、毎日時間を計って入浴するのも難しい。その場合は、足湯が有効とのこと。これは、足を温めることで、熱放散を促し、深部体温が下がりやすくなるようにするアプローチだ。
ちなみに、靴下を履いたまま寝るのは、足からの熱放散を阻害してしまい、寝つきが悪くなるとのこと。
「脳」については、あまり印象に残らなかったので割愛。
その他、なるほどと思ったのは、
・昼食後の眠気は腸に血流が増えるからではない。どんな状況でも脳血流は第一に確保される。朝食後眠いということはおこらないことからもわかる。ただし、理由はまだわかっていない。
・寝る前の2時間はもっとも眠りにくい。翌朝早いからといって、いつもより就寝時間を早めても寝つきは悪くなり、睡眠の質は落ちてしまう。
以下は一番印象に残ったところ。
どんな科学的な治療でもできない脳や臓器のメンテナンスが睡眠中だけできる。
科学者や医者が何人集まってもできない体内リズムのバランス調節が眠るだけで整う。
健康のために、サプリだとかいろいろお金をかけたりするけど、まずは睡眠を大事にしないとなと少し反省。