疲れにくい体、疲れても回復しやすい体、疲れを溜め込まない体になるためには

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スタンフォード式 疲れない体

山田 知生

 

今週は疲れが溜まり体調不良だった。

 疲れが溜まると頭も体もキレがなくなり、ストレスが溜まる。

ストレスは疲れをさらに蓄積し、悪循環におちいる。

気づいた時には、ちょっと休息したぐらいではまったく疲れがとれなくなっている。

そんな疲労困憊のときにタイミングよくこの本が届いたので、藁にもすがる思いで読んだ(笑)

 

本書はスタンフォード大学のアスレチックトレーナーであり、金メダリストや全米記録保持者をサポートしている著者が、「疲労予防」と「疲労回復」のメソッドをまとめたもの。

 

 

 

疲れとはなにか

 自分がなぜ疲れているのか、根本的な原因を考えたことがあるだろうか。

病気を治療する際に原因が何かを調べるように、疲れの原因を調べなければ、疲労を根本的に解消することはできない。

 この本では、「筋肉と神経の使いすぎや不具合によって体の機能に障害が発生している」状態を疲労の定義としている。

 神経についていえば、神経の司令塔は脳であるため、疲労の原因は脳にあるといってもいい。

 

神経や脳の疲労の原因は何か

この脳疲労を防ぐために著者が特に注意しているのが、「体の歪み」。

体が歪んでいると中枢神経からの指令が体の各部に伝わりにくくなり、体の歪みをかばうために無理な動作をし、ちょっとした動きにも必要以上に負担がかかる。

そのため、「疲れやすい体=歪んだ姿勢の体」になりやすい。

そして、体の歪みと密接に関連しているのが、「体内の圧力」だという。

体内の圧力を高めることによって、体の歪みを正すそうだ。

 

体内圧力を高める、疲労予防「IAP」メソッド

 具体的には、体内の圧力を高めて疲労をブロックする、「IAP呼吸法」を用いる。

「IAP」とはIntra Abdominal Pressureの略で、日本語に訳すと「腹腔内圧(腹圧)」。

この呼吸法は、息を吸うときも吐くときも、お腹の中の圧力を高めてお腹周りを固くする呼吸法で、お腹周りを固くしたまま息を吐ききるのが特徴。

 

IAP呼吸法を実践すると、以下の効果が期待されるという。

  • 腹圧が高まることで、体の中心(体幹と脊柱)がしっかり安定する
  • 体幹と脊柱が安定すると、正しい姿勢になる
  • 正しい姿勢になると、中枢神経と体の連携がスムーズになる
  • 中枢神経と体の連携がスムーズになると、体が「ベストポジション」(体の各パーツが本来あるべきところにきちんとある状態)になる
  • 体が「ベストポジション」になると、無理な動きがなくなる
  • 無理な動きがなくなると、体のパフォーマンス・レベルが上がり、疲れやケガも防げる

(P72)

 

IAP呼吸法の具体的な実践方法やメカニズムは、以下のリンクに本に挿入されている図までついて解説されているので興味のある方は参照してほしい。

www.lifehacker.jp

 

 

寝る前にIAP呼吸法を実践するべし 

IAP呼吸法は所要時間が1~2分と短く、いつでもどこでも実践しやすいが、著者は寝る前に行うことを推奨している。

IAP呼吸法のカギを握る横隔膜には自立神経が集中していて、ゆっくりとした呼吸による横隔膜の動きが副交感神経を優位にし、ぐっすりと眠れるからだ。 

 

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ニーバリのお腹はすごい。これも腹圧なんだろう。



それでも疲れてしまったら

本書の肝はIAP呼吸法により、疲れとダメージを最小限にする体づくりであるが、「もうすでに疲れている」ことにたいする対症療法、疲労回復法についても言及している。

疲労を回復する「動的リカバリー」

私たちは、体が凝ってくると伸びやストレッチを行って、筋疲労の回復を図るが、一次的な回復にはなっても、抜本的な解決にはつながらないという。
なぜなら、体の硬化はあくまで「疲労の結果」であり、原因に隠れているのは「体に妙な癖がついている」ことだから。

また、疲れているからといって体を動かさないのはさらに疲労を助長する。

そこで、疲れているときこそ、軽い運動をするべきだが、中枢神経を刺激して、体との連携をスムーズにし、体の癖をリセットすることが必要だ。

具体的には、疲労に効くとされる「軽い有酸素運動」の前後に、あるリセット法を加えることで、体の癖の修正を行いながら、疲労回復効果を高めるという。

リセット法は、まず、有酸素運動前に、軽いスキップや重心を移動するジャンプなど、体のバランスを取りながら行う軽い運動をし、有酸素運動後に、左右のバランスを取りながら縮んだ筋肉を緩めるという流れになっている(図を中心に説明されているので、ここでは紹介が難しい(>_<))。

 

その他、肩こり、腰痛、目の疲れに効く体操もあるがこちらも図が中心。

 

スタンフォードでも実施している回復浴

スタンフォード大学では専用の設備があり、温冷浴を実施している。

温冷浴の効果は主に2つ。

  1. 血管の収縮と拡張が繰り返されることで血流がよくなる。
  2. 自立神経のバランスが整う。 

その結果、疲労軽減の効果があるという。ただし、筋肉痛には直接的な効果はなさそうだとのこと。

また、専用の設備のない家庭で行う場合の方法についても記載されている。その際に重要なのは、12分を超えないこと、入浴前後でコップ一杯の水を飲むことだそうだ。

 

 

食事はやっぱり重要

やっぱりというか、当然というか、食事についても書かれている。

目新しいことはそんなにないのだが、最近自分が陥っていたのは「甘いもの」。

この本では、精製された砂糖を含む甘いものはできるだけ控えるよう勧めている。甘いものは「禁断の疲労食」だと…

 よくない食べ物を接種すると、すぐにダメージとなって疲労や倦怠感が表れる。「毒」は「薬」より早く回る。とくに、飲み物に関しては、食べ物より消化・吸収が早いと言いう点で、要注意だ。

 

(なぜ、そういう現象が起きるのか、メカニズムから栄養について考えるには、この前記事にした以下の本がとても良かった。今回の本はその部分は非常にあっさりしている。)

rj77.hatenablog.com

 

 

 疲れないマインドセット

筆者はここまで述べてきた理論と実践以外に非常に重要な要素があるという。

それは、「マインドセット」、すなわち、「思考様式」「考え方」である。

 成長型マインドセット

マインドセットとは、その人の経験や教育によって形成される「考え方の枠組み」であり、心理学的に「行動や体に影響する効果」が確認された「思考のルール」。やる気云々の精神論とは異なる。

そして、疲れない体に必要なマインドセットは、「成長型マインドセット」。

成長型マインドセットの人は「疲れている=この疲れをなくせば、パフォーマンスが上がる」という捉え方ができる。

 

成長型マインドセットにシフトするには

 それには「yet」、「まだ~」という言葉がポイントになる。

「~できない」と決めつけるのではなく、「まだ、~できない」と考える。「まだ、自分には難しい」とその先を見据える。

 

成長型マインドセットと「超・短期目標」は2つで一つ 

「まだ~自分にはできない」としつつ、「そのうちできるようになるさ」、では意味がない。成功する選手は、必ず最終的な目標(長期目標)と「超・短期目標」をセットで設定している。

「まだ、できないなら、今の自分にできることは何か」という考え方だ。

 

一般の人では 

「今はまだ疲れやすいけど、長期的には疲れない体を手に入れる」という目標をもちつつ、「日常で疲れを溜めない」「今日の疲れは今日解消する」「明日の疲れを予防する」という超・短期目標を、この本のメソッドでクリアしていくことによって、「疲れない体」にたどり着く。

 

まとめ

疲労の蓄積は侮れない。

その究極は過労死だ。

この本の肝は先にも書いたように、IAP呼吸法だが、最終的には心の持ち方にまで言及している。

忙しいときは、「今日はあれもこれもやってしまおう」とタスクを詰め込みがちですが、決して「一日にできること」を課題評価してはなりません。仮にこなせたとしても、仕事の質は落ちていることが多いはずです。

慌ただしく時間に追われる一日の中でも、「ショートターム」を意識しましょう。今日の目標を作り、それを最小限の疲れで行いつつリカバリータイムも設ける毎日が、想定していた以上の速さとクオリティで目標に到達させてくれるはずです。

 (243ページ)

 

 

屋我地レースまで1ヵ月切ったし、甘いものはしばらくお預け…( ノД`)シクシク…