3年ほど前、サドル沼にはまっていた。
覚えているだけでも、その数、10種類。
もともと写真一番左のアリオネを4年ほど使っていたが、擦れによる肌の痛みが頻繁に生じていたので、別のものを探し始めたのが沼にはまったきっかけだった。
フィジークのスパインコンセプト
フィジークのスパインコンセプトは、前屈の際の身体の柔軟性に目安に、
- 柔軟性高=スネーク・タイプ⇒アリオネ(フラット型)
- 柔軟性低=ブル・タイプ⇒アリアンテ(ラウンド型)
- 柔軟性中=カメレオン・タイプ⇒アンタレス(中間)
となっている。
私がアリオネを使っていたのは、身体の柔軟性が高いからだった。
前屈であまり苦も無く手のひらが床につく。
そうなると、フィジークのスパインコンセプトによれば、一目瞭然。
スネーク・タイプということになり、サドルはアリオネになる。
おそらく、ほとんどの人が左側の写真で直感的に自分のサドルを判断するだろう。
だが、これだけで判断するのは、まずいと思う。
柔軟性が高い=前傾が深い?
そもそも柔軟性が高いサイクリストが全員、前傾が深い、骨盤が立ったポジションで乗っているのか?
そうではないだろう。
まず、自転車のセッティングの問題がある。
例えば、長めのクランクを使用していれば、サドルは下げないといけないが、サドルを下げると、ハンドルの位置は相対的に高くなり、前傾は浅くなりがちだ。
これは、サイクリストの柔軟性が高くても低くても関係ない。
また、サイクリストの体幹の使い方も関係してくると思う。
いくら空力的に有利だからといって、前傾を深くしすぎると、体幹がつぶれてしまって、力強いペダリングはできない。
柔軟性が高くても、体幹の使い方によっては、それほど深くない前傾になるかもしれない。
ペーターサガンの場合
キャノンデール時代のサガンは、アリアンテを使っていた(今はスポンサーが変わってしまったので、違うサドル。最近はスペシャのROMIN?いずれにせよ、ラウンド型)。
柔軟性が一番低いブル・タイプのサドルだ。
しかし、次の動画によると…
Doing some core training in Palma de Mallorca, @lifemotus style pic.twitter.com/Y1FmVdvwAb
— Peter Sagan (@petosagan) 2017年12月12日
恐るべき柔軟性と体幹…
前屈をしてるわけではないが、まぁ、たぶん、スネーク・タイプだろう(笑)
まとめ
フィジークのスパインコンセプトの説明を鵜呑みにしてサドルを選んでしまうのは良くないと思う。
また、サドルには座面の形状以外にも、穴の有無、ノーズの長さなど、ほかにも考慮することがある。
メーカーの説明を鵜呑みにするのではなく、自転車のパーツのセッティング、自身の乗り方などから総合的に判断しないといけない。
また、どのサドルにもメリット・デメリットがあり、全てのシチュエーションに対応できるものはないはずだ。ある程度のトレードオフは受け容れなければならない。
ちなみに、現在の私のサドルは、アリアンテ。
このサドルに変えてから、擦れることもあまりなく、長距離を乗っても不快になることがほとんどない。
最近は、フィジークから適正なサドルを判断してくれるアプリも出ているのだが、計測したらやっぱりスネーク・タイプだった(笑)
スネーク・タイプのアリアンテ使いもいるということで参考になれば幸いだ。