GTローラーを今年4月にスマート化した。
かれこれ8カ月ほど使ったので、簡単なインプレをしてみる。
スマート化の仕方やZWIFTとの接続などは公式サイトやいろいろなブログ等で
紹介されているので、ここでは書かない。
(※私の環境は、主にZWIFTに接続して利用)
メリット
メニュー練習に集中できる
スマート化するとメニューに集中できる。とにかくこれが大きい。
このことだけでもスマート化して良かったと思える。
パワー値を指標にローラーでメニューをこなす場合、これまでは、フロントフォーク近くの負荷調整レバーで負荷を上げつつ、シフトアップまたはシフトダウンしてターゲットのパワーになるよう調整していた。
単調、単純なメニューであれば、このやり方でもそこまで不都合はない。
だが、数十秒や1分などの短時間で負荷やケイデンスを変えるメニューの場合は、それなりの作業になるし、狙った負荷に調整できないこともある。
スマート化すると、負荷調整の作業が不要になる。
ウォーミングアップ、メインメニュー、レスト、ダウン、これらの負荷が自動で調整される。
シフトチェンジも基本的に必要ない。
ただただ回すのみだ。
勝手に負荷が変わることに違和感を覚える人もいるようだが、私の場合は集中力が増す。
どの筋肉を使っているか、左右差を感じるか、フォームは崩れていないか、呼吸はどうか。
途中で余計なことを考えなくていいので、自分自身の身体を観察し続けられる。
呼吸や身体の感覚に集中していくと、「もう無理だ」「きつい」という感情と身体の痛みを分けて捉えることができるようになる。
苦しいなかでも、感情を俯瞰し、実際に身体にどんな生理的な変化が起きているのか、乳酸がたまってきついのか、心拍が限界できついのか、フォームが崩れて特定の部位に負担がかかってしまっているのか、観察していく。
このブログの1本目の記事、「覚醒せよ~」で紹介したが、苦痛をコントロールする対象としてとらえることができるようになる。
私はZWIFTのトレーニングメニューを主に使っているが、メニュー練習は、サイクルコンピュータに入力してすることもできる(機能が必要。パイオニアだと、CA600にはあるが、CA500にはない)。サイコンがGTローラーの負荷を自動で調整してくれる。
また、GROWTACオリジナルアプリでもメニュー練習ができる。
サイコンやアプリであれば、ZWIFTのような毎月の支払いもない。
ZWIFTのレースやグループライドを楽しめる
楽しみにしていた週末のグループライドが雨で中止になった場合、ただのローラー練習をやらなければならないというのは、なかなか苦痛だ。
レースが近くモチベーションが高い時期には、ローラー練習をこなすのも苦にならないが、そうではない場合、気持ちを切り替えるのが難しい日もある。
そういったときに、ZWIFTのレースやグループライドに参加し、バーチャルライドを楽しめるのはなかなかいいものだと思う。
デメリット
屋外での使用に制限あり
屋外でもモバイルバッテリーを使って1時間程度なら問題なく使用できた(どのくらいまでなら使えるのかは不明)ので、屋外使用ができないということはない。ただ、電子機器を使う以上、雨天の屋外での使用は無理だろう。
まとめ
GROWTACの開発コンセプトで触れられているが、メーカーとしては、
スマートトレーナーは進化途中で、GTローラーは高価な部類に入るトレーナーであることから、新たな商品を開発して『買い直し』を要求することは本意ではなく、『GTローラーを長く使ってもらいたい』という意図でGT-eSMART(スマート化ユニット)を開発したとしている。
確かに、GTローラー自体は純粋なスマートトレーナーとして開発されているわけではないので、ハード面から生じる一定の制約はあるようだ。
しかし、GTローラーをすでに使っているユーザーにとっては、多額の出費をせずにスマート化できるというのはとてもありがたいことだと思う。
WahooやTacxなど、スマートトレーナーとして完成度の高いものはある。
しかし、GTローラーのように、実走に近い感覚でペダリングできるものはあまりない。
個人的にGTローラーはペダリング技術の向上にとても役立つと感じていて、スマート化すれば、実走に近いペダリングをしながらパワートレーニングができる。
GTローラーユーザーであれば、新たなスマートトレーナー購入ではなく、スマート化を検討しても悪くないと思う。