私の情動は私ではない

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 「Search Inside Yourself」チャディー・メン・タン

 

マインドフルネス瞑想の本。

 「Search Inside Yourself(SIY)」は、著者がグーグル社で創り上げたマインドフルネス(瞑想)に基づくEQ(情動的知能)カリキュラムのことだ。

 

本の内容を一言でいえば、科学に基づいた、自分自身の理解、人間の理解といった感じだろうか。

 

マインドフルネス瞑想の基本は、今ここにある自分自身に集中することである。

呼吸や身体に意識を集中し、何が起こっているかを認め、それに対して判断や反応をせずに経験する。気を散らす原因が去りたがってりるなら放してやればいいし、そうでないなら、放っておく。そしてまた、呼吸や身体に意識を戻していく。

 

マインドフルネス瞑想の基本で自分の心の動き(情動)を明瞭に認識できるようになれば、それをコントロールできるようになり、また、セルフモチベーションの技術を高めることもできるようになる。

また、共感を深め、愛情に満ちた優しさをもって人と関わることもマインドフルネスによって実践できる。

 

こういった話をテーマごとに段階を追って理論的な話から、エクササイズまで紹介されているので、理解もしやすいし、自分自身で実践していける内容になっていると思う。(ただ、日本語訳がちょっと硬いのでマインドフルネス自体を知らない方には読みにくさがあるかもしれない。)

 

「7つの習慣」との共通点も多い。本書は7つの習慣を身につけやすくする具体的なトレーニング法にもなるのではないかと思った(本のなかでは7つの習慣の話は全く出てこない)。

 

以下は最も印象深かった表現

「 瞑想の伝統の中には、~ 美しいたとえがある。思考と情動は雲に似ていて、美しいものもあれば、暗いものもある。一方、私たちの核を成す存在は空のようなものだ。雲は空ではなく、空で起こる現象で、現れては消える。同様に、思考と情動は私たち自身ではなく、心と体で起こる単なる現象で、現れては消える 」

 

情動に心が支配され、自分の情動が自分だと考えるようになってしまうと、自分のコントロールできないことに反応し、周囲の影響を受け、ストレスで押しつぶされてしまう。

刺激と反応のあいだには間隔があることを認識し、コントロールする力を与えるのがマインドフルネスである。

 

ストレスを感じやすい方にはとてもおススメの本(もちろんそうでない方にもおススメ)。

 

 

サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法

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