Garmin vivosmart4
社会人アスリートはとにかく忙しい。
真剣に競技に取り組めば取り組むほど忙しい。
やらなきゃいけないことはたくさんあるのに、トレーニングもする。
学生の頃とは違って、体力のピークをとっくに過ぎた身体は、適当なトレーニングではパフォーマンスを上げられない。かといって、トレーニングを頑張りすぎると、免疫力が落ちて体調を崩す。
体調を崩し周りに迷惑をかけると、周囲から「何のためにやってるの?」「競技辞めたら?」という声が聞こえるような、聞こえないような…
と、いうことで、食事、睡眠、サプリなど、体調管理にはとても気を遣うのだが、それでも体調を崩すことはよくある。
最大の原因はストレスだ。
そのストレスを計測し、あとどのくらい自分のエネルギーが残っているかを表示してくれるのが、Gaminのアクティブトラッカー、vivosmart4だ。
vivosmart4の機能や特徴
主な機能や特徴は以下のようなものだ。
- 身体のエネルギー量を表すBody Battery
- 1日のストレス計測
- 睡眠モニター
- ステップ数に加え、上昇階数、消費カロリー値、週間運動量を記録
- ウォーキング、水泳、サイクリングなどのワークアウトを記録
- LINEやその他アプリの通知を表示
- アプリGarmin ConnectでPCやスマホと同期
- 軽量16.4g(レギュラーサイズ)
詳しくはメーカーサイトなどを参照していただくとして、今回書くのは、数あるライフトラッカーやスマートウォッチとは一線を画す(と思われる)、BodyBattery機能だ。
BodyBattery機能とは
Gaminの説明によると、
ボディバッテリーとは、心拍変動、ストレス、アクティビティなどのデータを使用して予備エネルギー量を測定できる機能です。この機能は1から100の数字でユーザーのエネルギーレベルを表示します。
要するに、あなたのエネルギー残量はあとこのくらいですよ、と表示してくれる機能だ。
使い始めて2カ月ぐらい経つが、これが思いのほか役立っている。
実際の体調に近い気がするのだ。
スマホには一日の経過が以下のように表示される。
5時過ぎに起床、仕事に行って、夕方にトレーニング(固定ローラー)をした一日。
山のようなラインがBodyBatteryの推移、その下の青いギザギザは休息、オレンジ色はストレスだ。
起床時にはバッテリーは95あったが、寝る前には34まで低下している。
だいたいこれが普通の一日。
週末はエネルギー消費が激しい(普通の人と違って)。
3月9日、土曜のチーム朝練に行き、ストレスMax、エネルギー残量急降下、その後はなんとか横ばいに近い状態でしのぎ、睡眠で100まで回復させるも、3月10日の日曜朝練(南部練)でまたまた急降下、13時前後に1時間仮眠をとるも、下がりに下がって、最終的には16まで低下した。
精神的なストレスもしっかり把握してくれる
運動によるストレスは、心拍を把握することによって、ある程度計算できるのはわかる。だが、このvivosmart4は、運動によるものだけでなく、精神的なストレスも把握してくれるのが素晴らしい。
2月15日金曜日、トレーニングはしていない。
通常通りの仕事の日だが、14時過ぎから結構なストレスのかかる会議があった。
オレンジのギザギザがしっかり出ている。
チーム練にも負けないくらいのストレスだ。
この日は、業務終了後は飲み会があり、そこでもそれなりに気をつかったようで、遅くまでストレスのオレンジが表示されている。
確かに疲れた一日だった。
で、帰宅は10時過ぎ、就寝は11時過ぎだったような気がするが、土曜のチーム朝練に行くために4時前に起床した一日は以下のようになった。
睡眠時間が若干短く、アルコールが入っていたために睡眠の質が悪かったと思われる。結果、51までしか回復せず。最後は6!(笑)
精神的なストレスを把握できるのはなぜか
先ほど引用したGaminの説明では、「心拍変動、ストレス、アクティビティなど」のデータを利用してエネルギー量を測定すると書いてある。
「ストレス」というのが曖昧な表現である。そもそも「ストレス」をどのように測っているのか、という疑問が浮かぶ。
ここからは憶測の話になる。
実は、このvivosmart4、海外で販売されているものは、血中酸素飽和度(SpO2)を計測できる。この血中酸素飽和度(SpO2)は、心臓から全身に運ばれる血液(動脈血)の中を流れている赤血球に含まれるヘモグロビンの何%に酸素が結合しているか、という値だ。要するに、身体のすみずみまで酸素がいきわたっているかどうかを測るものである。
しかし、日本では薬事法の関係で、その機能が「停止」されている。
Gaminの説明は以下のようなものだ。
血中酸素飽和度(SpO2)の計測機器は、現在、日本国内においては薬事法上管理医療機器(クラスⅡ)に分類されています。
このため、海外ではその機能を有する製品であっても、日本国内ではお使いいただけないよう機能を停止しております。
この「停止」という表現だが、あくまでも値を表示させないという意味ではないかというのが個人的な推測だ。
実際には計測していて、BodyBattery機能の基礎データとして、利用されているのではないか。
言い換えれば、停止させたのは血中酸素飽和度の値を表示させることだけで、心拍変動、血中酸素飽和度、アクティビティのデータを用いて、エネルギー量をはじき出しているのではないか、ということである。
例えば、精神的なストレスがかかると、自然と呼吸が浅くなることが多いと思うが、それによって、血中酸素飽和度が下がり、vivosmart4がストレスと認識できるというところだと思っている(あくまで推測)。
【2020.4.17追記】
憶測、推測として裏でSpo2を計測しているのではないかと書いたが、この部分はあくまでも、そうだったらいいな程度の話である(期待させてしまったら申し訳ない)。
ただ、BodyBattery機能を裏で支えているアルゴリズムをGarminに提供しているは、フィンランドのFirstbeat社というのはとても重要だ。
この企業はヘルスケアやスポーツ分野での心拍データの研究に20年以上もの実績を有し、Garminだけでなく、他のウェアラブルデバイスメーカーにも技術提供している。
以下のリンク先では、同社の技術について説明されている。
ウェアラブルデータ活用の黒子、フィンランドFirstbeatが明かす心拍数から分かること | Digital Innovation Lab
Spo2を計測していなかったとしても、同社の技術があれば、様々なストレスを計測できるのも納得がいく。
【2021.5.9追記】
ようやく国内でも血中酸素濃度の測定機能が追加された。
Garmin 「血中酸素トラッキング」機能への対応を4月下旬以降に対象のウェアラブルデバイスで順次開始 | プレスリリース | ニュース | Garmin | Japan | Home
ソフトウェアの更新だけで可能になるということで、ちょっと得した気分だw
(ハードの機能が制限されていただけでもある)
Spo2測定について、この記事ではいろいろ憶測を書いたが、
こんなことを考えていたということを
記録として残すために記事としてはあえてそのままにしておく。
数値をどのように活用するか
自分のエネルギー残量を見るだけでも結構楽しいのだが、今のところ以下の2点を意識して使っている。
トレーニングメニューの選択、実施の有無
平日は帰宅後にローラー練というパターンだが、エネルギー残量によって、量や質をコントロールしている。場合によっては、中止する。
もっとも、BodyBatteryのエネルギー残量だけを頼りに判断しているわけではない。あくまでも、自分自身が感じている主観的な体調と、エネルギー残量を比較衡量しての判断だ。
何にストレスを感じているか(ストレス・コーピング)
精神的なストレスを計測できるので、自分が何に対してストレスを感じているかを可視化できる。可視化できると、それに対する対処法を考えることもできる。
あの会議ではストレスを感じていたけど、何にストレスを感じていたのか、次同じようなことがあった場合、どのような心構えでいれば、ストレスを減らす(活かす)※ことができるだろうか、という思考ができるのである。
その出来事の受け止め方(認知)を適切にして、ストレスを減らす(活かす)。メンタルヘルス的に重要で、コーピング・スキルと呼ばれたりしている。
※ちなみに、ストレスは減らすというより、活かすことが重要。ストレス=悪ではない。
まとめ
自転車にパワーメーターをつけていると、TSSやIFといった指標を用いて体調管理に活かすことができるが、そこで考慮されているのはトレーニングの負荷だけだ。
仕事や普段の生活によるストレス、その他もろもろのことは計測できない。
プロだとTSSやIFで管理できるかもしれないが、社会人アスリートだと厳しい。
そういう意味で、vivosmart4は、社会人アスリートの体調管理に役立つのではないかと思う。
補足
バンドの長さで、サイズ展開されていて、レギュラーとラージがあるのだが、私の手首周りが16cmぐらいで、ギリギリちょうどぐらい。17cm以上ある方だとラージがいいかもしれない(色はブラックしかないが)。
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2019.7.13追記
ForeAthleteの各ニューモデルにもBody Battery機能が搭載された。
ランニングやトライアスロンをする方も使いやすくなったかな。
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